カテゴリー: 機内持ち込み・空港ルール

  • モバイルバッテリー持ち込み完全版 2026年版

    飛行機にモバイルバッテリーを持ち込めるのかは、かなり勘違いが多いテーマです。

    結論から言うと、モバイルバッテリーは多くの場合で機内持ち込みは可能です。ですが、預け入れは原則としてできません。さらに、容量、個数、保管方法、機内での使い方は航空会社や国のルールで細かく変わります。

    ここを雑に理解すると、空港で没収、保安検査で足止め、搭乗直前の荷物入れ替えという、しょうもない事故が起きます。

    特に最近は、リチウムイオン電池の発煙・発火事故を受けて、機内での取り扱いは厳しくなる方向です。日本の航空会社でも、収納棚に入れないことや、機内で充電するなら常に確認できる場所で行うことが案内されています。

    この記事では、モバイルバッテリーを飛行機に持ち込む際のルールを、かなり具体的に整理します。国内線と国際線の基本、容量の見方、よくある失敗、空港で止められないための準備まで、まとめて確認できる内容にしています。

    【先に結論。これだけ覚えれば大事故は避けやすいです】

    まず、一番大事な結論を先に整理します。

    ・モバイルバッテリーは預け入れ不可です
    ・必ず機内持ち込み手荷物に入れます
    ・容量は100Wh以下が最も安全圏です
    ・100Wh超〜160Wh以下は航空会社の承認が必要になることがあります
    ・160Wh超は基本的に持ち込みも預け入れも不可です
    ・端子保護や個別保護が必要です
    ・壊れているもの、膨張しているもの、リコール対象品は持ち込まないほうが安全です
    ・機内では座席上の収納棚に入れず、手元で管理するよう求める航空会社があります
    ・国際線、とくに外国航空会社ではさらに厳しい独自ルールがあることがあります

    つまり、「とりあえずバッグに入れて空港へ行く」は駄目です。持っていく前に、容量と搭乗会社のルール確認まで終わらせる必要があります。

    【なぜモバイルバッテリーは預け入れできないのか】

    理由は、火災リスクです。

    モバイルバッテリーにはリチウムイオン電池が使われています。リチウムイオン電池は、衝撃、圧力、内部短絡、過充電、劣化などで発熱し、最悪の場合は発煙・発火することがあります。

    預け入れ荷物の中でこれが起きると、発見と初期対応が遅れます。客室内なら客室乗務員が対応できますが、貨物室だと対応の難易度が上がります。だからこそ、予備電池であるモバイルバッテリーは機内持ち込み限定になっているのです。

    ここを感覚で理解しておくと、ルールが妙に細かい理由も分かります。

    【モバイルバッテリーは「予備電池」扱いです】

    これも重要です。

    スマホやノートパソコン本体に内蔵されている電池と、モバイルバッテリーは扱いが違います。

    スマホやノートPCのように電池が機器に組み込まれているものは、条件付きで預けられる場合があります。ですが、モバイルバッテリーは「予備電池」です。つまり、単体のリチウムイオン電池として扱われます。

    この違いを理解していないと、「ノートPCが預けられるならモバイルバッテリーもいけるだろう」と勘違いしやすいです。そこが違います。

    【持ち込み可否はWhで決まります】

    モバイルバッテリーのルールは、基本的にWhで判断されます。

    このWhというのはワット時定格量のことで、電池にどれくらいのエネルギーを蓄えられるかを示す数値です。

    多くの航空会社や国際ルールでは、次のように整理されます。

    100Wh以下
    もっとも一般的で、持ち込みしやすい容量帯です。通常のスマホ用モバイルバッテリーの多くはここに入ります。

    100Wh超〜160Wh以下
    航空会社の承認が必要になることがあります。しかも、個数制限が厳しくなります。そもそも旅行用モバイルバッテリーとしては大きすぎることが多く、ここに入る製品は慎重に扱うべきです。

    160Wh超
    基本的に持ち込みも預け入れもできません。普通の旅行者が使うモバイルバッテリーとしては、ここまで大きい製品は避けるべきです。

    このため、飛行機に持ち込む前提で買うなら、100Wh以下の製品を選ぶのが最も安全です。

    【mAhしか書いていない時の見方】

    ここも実務で重要です。

    モバイルバッテリーには、10,000mAh、20,000mAhのようにmAhだけが目立って書かれていることがあります。ですが、航空会社が確認したいのはWhです。

    Whは、次の式で計算できます。

    Wh = Ah × V

    mAh表記なら、まず1000で割ってAhにします。

    たとえば、一般的な3.7V系のモバイルバッテリーなら、おおむね次のような目安になります。

    10,000mAh
    約37Wh

    20,000mAh
    約74Wh

    26,800mAh
    約99Wh前後

    27,000mAh
    約100Wh前後

    このあたりが実務で重要です。

    つまり、20,000mAhクラスなら通常は100Wh以下に収まりやすいです。一方で、27,000mAh前後になると100Whにかなり近くなり、製品によっては確認が必要です。

    さらに厄介なのは、Wh表示が見当たらない製品です。航空会社によっては、Whが確認できない場合、持ち込みを断ることがあります。だから、容量の大きい製品ほど、製品本体や説明書、メーカー仕様ページでWh表示を確認しておくべきです。

    【いくつまで持ち込めるのか】

    ここは一番ややこしい部分です。

    長く使われてきた一般的な考え方では、100Wh以下の予備リチウムイオン電池は比較的広く持ち込み可能で、100Wh超〜160Wh以下は承認のうえ2個まで、という運用が多く見られます。

    ただし、2026年のIATAガイダンスでは、モバイルバッテリーについてはさらに厳格化の流れが明示されています。100Wh以下のモバイルバッテリーを最大2個までとし、100Wh超〜160Wh以下の「パワーバンク」は禁止とする整理が示されています。しかも、航空会社はさらに厳しい条件を設けることがあるとされています。

    一方で、日本のANAやJALの現行案内では、100Wh超〜160Wh以下のリチウムイオン電池は2個まで機内持ち込み可能と案内されており、100Wh以下についてはより広い持ち込み余地が残っています。

    ここで分かることは一つです。

    国際的には厳格化の方向で動いている一方、実際の可否は搭乗する航空会社の案内が優先される、ということです。

    したがって、実務上の安全策としてはこうなります。

    ・旅行用なら100Wh以下を選ぶ
    ・個数はできるだけ2個以内に抑える
    ・100Wh超のモバイルバッテリーは持っていかない
    ・どうしても大容量を使うなら、搭乗会社に事前確認する

    ここで無駄に勝負しないほうがいいです。空港カウンターで「でも他社サイトでは」と言っても、通りません。

    【預け入れ荷物に入れてはいけないもの】

    次のようなものは、原則として預け入れに入れてはいけません。

    ・モバイルバッテリー
    ・スマホやカメラの予備バッテリー
    ・取り外したリチウムイオン電池
    ・ワイヤレス充電ケースの一部
    ・予備電池として扱われる充電器

    とくに危ないのは、「うっかりスーツケースに入れっぱなし」です。

    旅行前日に充電ケーブルと一緒にスーツケースへ入れて、そのまま預ける。これが一番ありがちなミスです。保安検査で見つかれば呼び出されることがありますし、最悪の場合は時間を失います。

    【機内持ち込みのときの正しい入れ方】

    機内持ち込みすれば終わりではありません。入れ方にもルールがあります。

    基本は次の通りです。

    ・端子がむき出しなら絶縁する
    ・他の金属と接触しないようにする
    ・購入時のケースや袋があれば使う
    ・1個ずつ分けて収納する
    ・圧迫されにくい場所に入れる
    ・破損や膨張があるものは持っていかない

    要するに、「短絡させないこと」が大事です。

    鍵、コイン、アクセサリー、モバイルバッテリーを同じポーチに雑に突っ込むのはやめたほうがいいです。かなり雑です。

    【収納棚に入れていいのか】

    ここも最近の重要ポイントです。

    日本の国土交通省は、2025年7月8日から、機内に持ち込んだモバイルバッテリーを座席上の収納棚に入れないこと、また機内でモバイルバッテリーから機器へ充電したり、機内電源からモバイルバッテリーへ充電したりする場合は、常に状態が確認できる場所で行うことを協力要請事項として案内しています。

    ANAとJALもこれに沿って、モバイルバッテリーは収納棚ではなく、手元や前ポケットなど常に確認できる場所に置くよう案内しています。

    つまり、日本の航空会社に乗るなら、モバイルバッテリーは頭上の棚に入れず、見える場所に置くのが基本です。

    これはかなり実務的な話です。見つけやすく、異常時にすぐ対応できるからです。

    【機内で使っていいのか】

    ここは「絶対禁止」と「条件付きで可」が混ざりやすい部分です。

    日本のANAやJALでは、現時点では、モバイルバッテリーから機器へ充電すること、機内電源からモバイルバッテリーへ充電すること自体を一律禁止にはしていません。ただし、常に状態が確認できる場所で行うよう求めています。

    一方で、IATAの2026年ガイダンスでは、モバイルバッテリーは機内電源から再充電しないこと、頭上収納に入れないこと、タキシング・離着陸中は他機器への給電に使わないことが示されています。また、航空会社はさらに厳しい条件を設けることがあるとされています。

    つまり、今後はさらに厳しくなる可能性があります。

    実務で安全にいくなら、こう考えるべきです。

    ・機内ではモバイルバッテリーの使用は最小限にする
    ・充電するなら必ず手元で行う
    ・離着陸中は使わない
    ・外国航空会社では事前に独自ルールを確認する
    ・そもそも機内で使わなくて済むよう、搭乗前に端末を充電しておく

    これが無難です。

    【壊れているもの、膨らんでいるものは持っていかない】

    かなり重要です。

    次のようなモバイルバッテリーは持っていかないほうがいいです。

    ・膨張している
    ・本体が熱を持ちやすい
    ・落下でへこんでいる
    ・ケーブル差込口がぐらつく
    ・異臭がする
    ・メーカーがリコールしている

    FAAは、危険な発熱や火花の恐れがある損傷品やリコール対象バッテリーは、機内持ち込み・預け入れのいずれも不可と案内しています。ここはかなり重要です。

    安物や古い製品を長年使っている人ほど、旅行前に見直したほうがいいです。飛行機に乗る日に限ってトラブルを起こすと、目も当てられません。

    【ゲートで手荷物を預ける時はどうするか】

    LCCや満席便では、機内持ち込み予定だったバッグを搭乗口で預けることがあります。

    このとき、バッグの中にモバイルバッテリーを入れたまま渡すのは危険です。

    FAAは、機内持ち込み手荷物をゲートチェックで預ける場合、モバイルバッテリーや予備のリチウム電池は取り出して、乗客が客室内で保持するよう案内しています。

    つまり、搭乗口で荷物を預ける流れになったら、まずバッテリーを抜く。これを覚えておくべきです。

    【海外旅行で特に注意したいこと】

    国際線は、出発国、乗継地、到着国、航空会社によって微妙に扱いが変わることがあります。

    特に注意したいのは次の点です。

    ・外国航空会社は日本より厳しいことがある
    ・経由地で追加ルールがあることがある
    ・中国や韓国など一部空港では検査が厳格な場合がある
    ・英語表記しか案内が出ていないことがある
    ・Wh不明品は説明が面倒になりやすい

    したがって、海外旅行では「国際ルールでは大丈夫らしい」では足りません。乗る航空会社の公式ページを確認するのが基本です。

    【よくある失敗】

    1.mAhだけ見て安心する

    mAhだけでは不十分です。飛行機ではWhで判断されます。

    2.大容量ほど安心だと思って買う

    旅行では100Wh以下が最も扱いやすいです。むやみに大容量を選ぶと面倒が増えます。

    3.スーツケースに入れっぱなしにする

    これが本当に多いです。預け入れは駄目です。

    4.端子保護をしない

    ショートの危険があります。裸で雑に入れるのはやめたほうがいいです。

    5.膨張品をそのまま持っていく

    かなり危険です。旅行前に処分や交換を考えるべきです。

    6.外国航空会社でも日本と同じだと思う

    これも危険です。独自ルールがある前提で確認してください。

    【持ち込み前チェックリスト】

    空港へ行く前に、次を確認してください。

    ・モバイルバッテリーは100Wh以下か
    ・Wh表示が本体または仕様表で確認できるか
    ・預け入れ荷物ではなく機内持ち込みに入れているか
    ・端子保護ができているか
    ・本体に膨張、破損、異臭がないか
    ・乗る航空会社の公式ルールを確認したか
    ・機内で使うなら手元で管理できるか
    ・搭乗口で荷物を預ける場合にすぐ取り出せるか

    このチェックだけで、かなり事故を減らせます。

    【おすすめの選び方】

    飛行機に持ち込む前提で新しく買うなら、次の条件が無難です。

    ・100Wh以下
    ・Wh表示が明確
    ・PSEなど国内流通で素性が分かる製品
    ・過度に巨大ではない
    ・メーカー情報と型番が確認しやすい
    ・膨張や過熱の報告が目立たない製品

    要するに、「よく分からない激安大容量品」を避けることです。そこをケチると、飛行機だけでなく日常使用でも危ないです。

    【Q&A】

    Q.モバイルバッテリーは預け荷物に入れられますか?

    入れられません。原則として機内持ち込みのみです。

    Q.20,000mAhのモバイルバッテリーは持ち込めますか?

    多くの一般的な製品は100Wh以下に収まりやすいため、持ち込み可能なことが多いです。ただし、最終的には製品のWh表示と航空会社ルールで確認してください。

    Q.27,000mAh前後は大丈夫ですか?

    製品によっては100Wh前後になり、かなり際どいです。Wh表示が明確でないなら避けたほうが無難です。

    Q.2個持っていっても大丈夫ですか?

    多くのケースでは大丈夫なことが多いですが、航空会社ごとの個数ルールがあります。特に国際線では2個以内に抑えるのが安全です。

    Q.機内でスマホを充電してもいいですか?

    日本の主要航空会社では、現時点では一律禁止ではありませんが、常に確認できる場所で行うよう案内されています。外国航空会社ではより厳しいことがあるため、事前確認が必要です。

    Q.収納棚に入れてもいいですか?

    日本の航空会社では入れないよう求められています。手元で管理したほうが安全です。

    Q.膨らんでいるけれど一応使える場合は持っていけますか?

    やめたほうがいいです。かなり危険です。

    【まとめ】

    モバイルバッテリーの飛行機持ち込みで一番大事なのは、預け入れ不可、100Wh以下が基本、安全管理は手元で、という3点です。

    特に旅行者が覚えるべき現実的なルールは次の通りです。

    モバイルバッテリーは預けない。必ず機内持ち込みにする。容量は100Wh以下を選ぶ。できれば個数は2個以内に抑える。端子を保護する。壊れたものや膨らんだものは持っていかない。機内では収納棚に入れず、手元で管理する。外国航空会社では独自ルールを必ず確認する。

    ここまでやれば、空港で止められる確率はかなり下がります。

    逆に、「多分いけるだろう」で進むと、かなりしょうもないところで詰まります。モバイルバッテリーは便利ですが、飛行機では雑に扱わないほうがいいです。

    👉 「海外旅行の共通注意点はこちら」

  • 飛行機に持ち込み禁止のもの(国内線)【完全ガイド】

    国内線では、国際線ほど厳しくないと思われがちですが、それは半分だけ正しく、半分は危険な思い込みです。

    たしかに、日本国内線には国際線のような一律の100mlルールはありません。飲み物を持ち込める場合もありますし、化粧品や医薬品も条件を満たせば機内持ち込み可能です。ですがその一方で、刃物、工具、バット類、危険物、モバイルバッテリー、ライターなどは、国内線でも明確に制限があります。空港の保安検査で止められ、その場で放棄、預け直し、あるいは輸送自体ができないということもあります。ANAとJALはいずれも、国内線でも「機内持ち込みできないもの」「持ち込みも預けもできないもの」「条件付きで持ち込みできるもの」を区分して案内しています。

    特に厄介なのは、旅行者が「小さいから大丈夫」「日用品だから大丈夫」「国内線だから緩いだろう」と考えやすいことです。実際には、国内線でも刃物類や凶器となり得るものは機内持ち込み不可で、JALは刃物等の機内持ち込みは法律違反であり100万円以下の罰金対象になると案内しています。ANAも、刃物などの機内持ち込みは航空法違反となり、2年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される場合があると案内しています。

    つまり、国内線で本当に必要なのは、「持ち込み禁止かどうか」だけではなく、次の3つを分けて理解することです。

    1. 機内持ち込みはできないが、預け荷物なら可能なもの
    2. 機内持ち込みも預け入れもできないもの
    3. 条件を守れば持ち込み・預け入れが可能なもの

    この整理ができていれば、空港で慌てる可能性はかなり下がります。逆に、ここを曖昧にしたまま出発すると、バッグの中に入れたまま忘れていた小さな工具やライター1本で、搭乗直前に余計な時間を失います。ANAは、持ち込みも預けもできない危険物を持っている場合は放棄品箱などで廃棄、機内持ち込み禁止品は手荷物カウンターで預けるか放棄品箱に廃棄と案内しています。

    【まず最初に理解しておきたいこと】

    国内線の手荷物ルールは、感覚ではなく分類で考えた方が分かりやすいです。

    まず、機内持ち込みできないもの があります。これは客室内で凶器になり得るものが中心です。ナイフ、ハサミ、工具、バット類、ゴルフクラブ、アイススケート靴などが該当します。これらは、必要であれば預け荷物に回す必要があります。

    次に、機内持ち込みも預け入れもできないもの があります。代表的なのは、爆発や発火の危険がある危険物です。ガスボンベ、殺虫剤、農薬、花火、クラッカー、加熱式弁当の発熱材などは、航空輸送自体が禁止されています。JALは、160Whを超えるリチウムイオンバッテリーを使用した電子機器、ガスボンベ、殺虫剤、農薬、花火、クラッカー、発熱材付き弁当などを危険物として輸送不可と案内しています。

    最後に、条件付きで持ち込み・預け入れできるもの があります。アルコール、化粧品、医薬品、スプレー類、ドライアイス、リチウム電池の一部などです。これらは「持てるか持てないか」を雑に二分できません。容量、度数、用途、容器、総量で扱いが変わります。ANAは国内線の条件付き品目として、アルコール性飲料、スプレー類、リチウム電池、ドライアイスなどを案内しています。

    国内線の記事を書くうえで大事なのは、ここを国際線のコピーにしないことです。国内線は国内線で、別の面倒くささがあります。

    【刃物・工具類】

    国内線で最も分かりやすく、かつ見落としやすいのが刃物と工具です。

    大きな包丁やナイフを機内へ持ち込めないことは、多くの人が理解しています。ですが実際に止められやすいのは、小さなハサミ、マルチツール、精密ドライバー、カッター、眉ハサミ、工作用具などです。自分では日用品や仕事道具のつもりでも、保安検査では関係ありません。機内で危険になり得る物は持ち込み不可です。ANAは、ハサミ、工具、ナイフ類などを「種類にかかわらず一切持ち込みできない」と案内しています。JALも、刃物類、先端が著しく尖っているもの、強打することで凶器となりうるものは機内持ち込み不可としています。

    ここで注意したいのは、「小型ならよい」「短ければよい」という発想です。空港の保安検査は、所有者の意図ではなく、物の性質で見ます。つまり、本人が「危険物のつもりはない」と考えていても意味がありません。

    また、工具類は出張や撮影の人が見落としやすい分野です。カメラのメンテナンス用ドライバー、簡易レンチ、ケーブル処理用の小型工具などがそのまま機内持ち込みバッグに入っていることがあります。荷造りの段階では便利でも、保安検査ではただの工具です。

    必要なら預け荷物へ回せばよいのですが、そこにも注意点があります。刃物や工具を持つ必要が本当にあるか、まず考えた方がよいです。国内線の移動で、到着後すぐ使うわけでもないのに機内持ち込みバッグへ入れているケースが多いからです。

    【バット・クラブ・スケート靴などのスポーツ用品】

    スポーツ用品も、国内線ではかなりはっきり制限されています。

    とくに、バット、ゴルフクラブ、アイススケート靴などは、JAL・ANAともに機内持ち込みできないものとして例示しています。本人にとっては趣味の道具でも、客室内では打撃や刺突に使える危険物として扱われるからです。

    ここで誤解しやすいのは、「競技用だから安全」「ケースに入っているから問題ない」という考えです。ケースに入っていても、客室に持ち込めるかどうかは別問題です。国内線は比較的気軽に移動できるため、スポーツ遠征や趣味の移動で使う人も多いですが、客室へ持ち込めるとは考えない方が無難です。

    預け荷物として扱えることが多いですが、大きさや重量、追加料金、梱包の要否は航空会社ごとに確認した方が安全です。

    【危険物】

    国内線で最も厳しいのは危険物です。これは「機内持ち込みできない」では済まず、「預け入れもできない」ことがあります。

    JALは、危険物として、爆発の恐れがあるもの、燃えやすいもの、人に危害を与えたり他の物件を損傷するおそれがあるものは、法令により航空輸送が禁止されていると案内しています。具体例として、160Whを超えるリチウムイオンバッテリーを使った電子機器、ガスボンベ、殺虫剤、農薬、花火、クラッカー、加熱式弁当の発熱材などを挙げています。

    ここで旅行者がやりがちなのは、「小さいから問題ないだろう」と考えることです。しかし危険物は、大きさより性質です。小型のガス缶でも、可燃性が高ければ不可です。花火も手持ちサイズだから大丈夫とはなりません。加熱式弁当も、食べ物だから安全ではなく、発熱材があるから不可です。少し世界が奇妙なだけで、理屈は通っています。

    特にアウトドア用品、DIY用品、趣味用品は要注意です。本人が危険物だと自覚していないだけで、航空ルール上は危険物ということがよくあります。

    【モバイルバッテリー】

    国内線で見落としやすく、しかも最近ルールの扱いがより厳格になっているのがモバイルバッテリーです。

    基本ルールは明確です。モバイルバッテリーは預け荷物に入れられません。必ず機内持ち込みです。 JALは、スマートフォンなどの携帯型充電器(モバイルバッテリー)はお預かりできず、必ず機内持ち込み手荷物として持つよう案内しています。ANAも国内線でリチウム電池を条件付き品目として扱っています。

    さらに、現在は「機内に持ち込めばよい」で終わりません。JALは、モバイルバッテリーを座席上の収納棚に収納しないこと、機内で充電する際は常に状態が確認できる場所で行うことを案内しています。つまり、上の棚へ入れて放置するのは避けるべき運用です。

    容量にも制限があります。JALは、160Whを超えるリチウムイオン電池は持ち込み・預け入れともに禁止、160Wh以下のみ持ち込み可能、100Whを超え160Wh以下は2個まで持ち込み可能、Wh数が確認できない場合は輸送を断ることがあると案内しています。

    つまり、古い無名のモバイルバッテリーや、容量表示が読めない製品は持っていかない方がよいです。膨張しているもの、異常発熱するもの、端子保護が不十分なものも避けるべきです。

    国内線だから気軽に持ち歩きがちですが、モバイルバッテリーは航空ルールでは「便利な充電器」ではなく「条件付きで持ち込めるリチウム電池機器」です。

    【ノートパソコン・タブレット・予備電池】

    ノートパソコンやタブレット自体は、国内線で機内持ち込みも預け入れも可能です。JALは、リチウム電池を内蔵した携帯型電子機器は機内持ち込み・預け入れどちらも可能だが、預ける場合は電源をオフにし、ケースや衣類などで保護するよう案内しています。

    ただし、問題は予備電池です。取り外したバッテリーや予備バッテリーは、モバイルバッテリーと同様、短絡防止や容量制限が必要になります。JALは、端子の絶縁や個別保護を案内しています。

    つまり、PC本体は大丈夫でも、バッグのポケットに裸の予備電池を複数放り込むのはよくありません。電池は「小さいから雑に扱ってよい」ではなく、「小さいからこそ雑に扱われがちで危ない」分野です。

    【液体物】

    ここは国内線と国際線で大きく違います。
    国内線では、国際線のような一律100mlルールはありません。

    飲み物は基本的に機内持ち込み可能です。化粧水や美容用の液体も持ち込めますが、1容器あたり500mlまたは0.5kg以下、1人あたり合計2Lまたは2kgまでという条件があります。JALは、化粧品・医薬品(非放射性のもの)について、機内持ち込み・預かりどちらも可能で、1容器あたり0.5kgまたは0.5リットル以下、1人あたり合計2kgまたは2リットルまでと案内しています。日本空港ビルデングの案内でも、国内線の液体物はこの条件に沿って説明されています。

    ここは国際線の感覚で書き間違えやすいところです。国内線記事なのに「100ml以下で透明袋」などと書いてしまうと、それだけで信頼を落とします。危ういところでした。危険なのは荷物だけではなく、雑な記事も同じです。

    ただし、「国内線は液体なら何でも自由」でもありません。危険物に該当する液体は別です。可燃性が高いもの、危険な化学物質などは不可です。さらに、飲みかけのペットボトルが検査で別途確認されることもあります。国内線は国際線ほど細かくないものの、何も見なくてよいほど甘くはありません。

    【アルコール飲料】

    アルコールは、液体物の中でも別ルールです。ANAは国内線の条件付き品目として、アルコール度数が24%を超え70%以下のものは1人あたり5リットルまで、機内持ち込み・預け入れともに可能、24%以下のものは制限なし、小売販売容器に収納されていることを条件に案内しています。

    つまり、普通のビールやワインはそこまで神経質になる必要はありませんが、度数の高い酒は条件付きです。酒だから全部同じ、ではありません。

    【スプレー類・化粧品・消毒剤】

    国内線では、化粧品や非放射性の医薬品に分類されるスプレー類、香水、シェービングジェル、消毒剤などは、前述のとおり 1容器0.5Lまたは0.5kg以下、1人合計2Lまたは2kg以下 の範囲なら、機内持ち込み・預け入れともに可能です。JALはその具体例として、ヘアスプレー、香水、シェービングジェル、殺菌・消毒剤(液体・スプレー、アルコール製消毒製品を含む)を挙げています。

    ただし、同じスプレーでも、殺虫剤や農薬のように危険物扱いになるものは輸送不可です。ここがややこしいところです。見た目は似ていても、化粧品・医薬品カテゴリか、危険物カテゴリかで扱いが変わります。

    【ライター】

    ライターも、国内線では細かなルールがあります。
    JALのFAQでは、喫煙用で小型のものに限り、1人1個まで、上着のポケットなどに入れて身に着けて持ち込むことが可能で、預け荷物には入れられないと案内しています。持ち込める例として、使い捨てライター、液化ガスライター、吸収剤入りオイルライター、安全マッチ、条件を満たすリチウム電池式ライターを挙げています。一方で、吸収剤なしのオイルタンク式ライター、葉巻用ライター、ターボライター、ジェットライター、チャッカマン類、仏壇用・線香用ライターなどは、持ち込みも預けもできないと案内しています。

    ここも「ライター1個なら何でもよい」と誤解されやすいです。
    正しくは、持ち込める種類の小型喫煙用ライターに限って1個まで です。

    しかも、かばんに入れて運ぶのではなく、身に着けて持つ必要があります。ポケットに入れるなどの扱いが前提です。地味ですが大事です。

    【ヘアアイロン】

    ヘアアイロンは、旅行者が空港で意外と迷う物の一つです。JALは、ヘアアイロン・ヘアカーラーについて、コンセント式、電池を取り外した電池式、または取り外した状態と同等の機能があるものは持ち込み・預けとも可能としています。一方、電池が取り外せない電池式のものは持ち込みも預けもできないと案内しています。取り外した電池は機内持ち込みが必要です。

    これも、見た目はただの美容家電ですが、実際には電池の扱いで決まります。国内線はこういう「物の名前」より「構造」で判断されることが多いです。

    【食品】

    国内線では食品そのものが広く禁止されているわけではありません。ですが、注意点はあります。

    まず、飲み物や液体・半固形の食品は、液体物や危険物の条件に関わることがあります。さらに、JALは国内線でも、沖縄県や奄美群島など特定地域から本土へ持ち込めない植物類があると案内しています。たとえば、消毒されていないさつまいも、未検査のかんきつ類や苗木などは、機内持ち込みも預けもできません。これは植物防疫上の規制です。

    つまり、国内線でも「食品や植物なら自由」ではありません。一般的な弁当や土産菓子は問題なくても、検疫・防疫に関わるものは別です。沖縄・奄美方面の移動では特に注意が必要です。

    また、発熱材付き弁当は危険物として輸送不可です。食べ物でも、発熱機構がある時点で話が変わります。これは実に面倒ですが、航空安全の論理としては筋が通っています。

    【医薬品】

    国内線では、非放射性の医薬品は基本的に持ち込み・預けとも可能で、JALは化粧品と同様に 1容器0.5Lまたは0.5kg以下、1人合計2Lまたは2kg以下 の条件を案内しています。

    ただし、医薬品でも危険物に該当する成分や、特殊な取り扱いが必要なものは別です。一般的な常備薬は大きな問題になりにくいですが、大量に持ち込む、容器を移し替えていて中身が分からない、医療機器や電池を伴うなどの場合は、確認した方が安全です。

    国内線なので海外ほど国ごとの差はありませんが、だからといって何でも自由ではありません。

    【ドライアイス・保冷剤】

    生鮮食品や要冷蔵品を持つ人にとっては、ドライアイスも気になるところです。ANAは、生鮮食料品等を冷却する目的のドライアイスは1人あたり2.5kgまで機内持ち込み・預けとも可能と案内しています。ただし、その目的以外のドライアイスは不可です。

    保冷剤は種類によって扱いが異なるため、迷う場合は航空会社へ確認した方が無難です。

    【国内線でよくある勘違い】

    ここまでをまとめると、国内線で特に多い勘違いは次のとおりです。

    「国内線だから緩い」
    これは雑です。液体の一律100mlルールはなくても、刃物・危険物・電池・ライター・数量制限は普通にあります。

    「機内持ち込みできないなら預ければよい」
    モバイルバッテリーや予備電池、特定の危険物には通用しません。預けること自体ができません。

    「小さいものは問題ない」
    小型ハサミ、小型工具、小型ライター、ミニスプレーでも、性質次第で制限対象です。

    「飲み物は何でも自由」
    一般の飲み物は持ち込めても、度数の高い酒や危険物性のある液体は別です。

    【空港で止められた時に起きること】

    ANAは、持ち込みも預けもできない危険物を所持している場合は放棄品箱などで廃棄、機内持ち込み禁止品は手荷物カウンターで預けるか放棄品箱で廃棄と案内しています。つまり、空港で止められた時に起きることは主に3つです。

    1つ目は、その場で廃棄です。
    2つ目は、預け直しです。
    3つ目は、そもそも輸送不可で持っていけないことです。

    そして最も厄介なのは、時間を失うことです。国内線でも、保安検査直前に荷物の整理を始めると、案外すぐ搭乗時刻が近づきます。こういう小さなミスの積み重ねで、旅の出だしがかなり濁ります。

    【出発前チェックリスト】

    国内線で空港トラブルを避けるために、最低限この5つを見ておくと安全です。

    ・刃物、工具、バット類がバッグに入っていないか
    ・モバイルバッテリーを預け荷物に入れていないか
    ・ライターが1個を超えていないか、種類は問題ないか
    ・液体、化粧品、医薬品、アルコールの量が条件内か
    ・危険物、発熱材付き製品、ガス缶、花火等が混ざっていないか

    この程度でも、かなり変わります。

    【まとめ】

    国内線は、国際線より緩い部分もあります。
    ですが、それは「確認しなくてよい」という意味ではありません。

    日本国内線では、国際線のような一律100mlルールはありませんが、刃物、工具、スポーツ用品、危険物、モバイルバッテリー、ライター、アルコール、スプレー類、医薬品、植物類などに、それぞれ別の条件があります。

    特に重要なのは、
    機内持ち込み不可
    預け入れ不可
    条件付きで可能
    を分けて考えることです。

    国内線で最も多い失敗は、知らなかったことそのものではなく、「たぶん大丈夫だろう」と雑に処理することです。そこをやめるだけで、空港での余計なトラブルはかなり減ります。

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  • 飛行機に持ち込み禁止のもの(国際線)【2026年版】

    国際線では安全確保のため、機内に持ち込める物に厳しい制限があります。日本では普通に持ち歩いている物でも、空港では保安検査で止められたり、その場で没収されたりすることがあります。

    とくに厄介なのは、「完全に機内持ち込みできない物」と「条件付きなら持ち込める物」と「機内には持ち込めるが預け荷物には入れられない物」が混在していることです。ここを雑に理解していると、荷造りの段階では問題が見えず、空港で初めて面倒な事態になります。

    国際線では、液体物、刃物、工具、ライター、モバイルバッテリー、スプレー、電子タバコ、薬、食品、スポーツ用品など、身近な物でも制限の対象になります。しかも、航空会社のルールだけでなく、出発国、経由地、到着国の保安・法律・検疫のルールが重なるため、「日本で普通だから問題ない」とはなりません。

    この記事では、国際線で持ち込み禁止になりやすい物を、旅行者が実際に迷いやすい順に整理します。単なる禁止物一覧ではなく、「なぜだめなのか」「預け荷物へ回せばよいのか」「そもそも航空機に載せられないのか」「国によって追加規制があるのか」まで含めてまとめます。

    最初に結論だけ先に整理すると、国際線の手荷物で問題になる物は大きく3種類あります。

    1つ目は、機内持ち込みできない物です。刃物、工具、バット、ゴルフクラブのように、客室内では危険になり得る物がここに入ります。

    2つ目は、預け荷物にも入れられない物です。代表例はモバイルバッテリーや予備のリチウム電池です。これは客室に持ち込む必要があります。

    3つ目は、条件付きで持ち込みできる物です。液体物、ライター、ベビーフード、医薬品、免税品などが該当します。条件を守れば問題ありませんが、守らなければ禁止扱いになります。

    この3分類を理解しておくだけで、空港でのトラブルはかなり減らせます。

    【液体物(100ml超)】

    国際線で最も止められやすいのが液体物です。しかも、旅行者本人は液体だと思っていない物まで対象になるため、見落としが非常に多い分野です。

    基本ルールは、100ml以下の容器に入れ、容量1L以下・縦横合計40cm以内の透明な再封可能袋にまとめ、1人1袋までというものです。ここで大事なのは、中身の量ではなく容器の大きさです。たとえば150mlのボトルに少しだけ液体が入っている場合でも、そのボトルは原則として機内持ち込みできません。

    対象になるのは、飲み物だけではありません。化粧水、乳液、クリーム、ジェル、日焼け止め、香水、ヘアワックス、シャンプー、ボディソープ、歯みがき粉、シェービングフォーム、防臭剤等のエアゾール類、半固形物も対象です。自分では「液体ではない」と思っていても、保安検査では液体類・ジェル類・エアゾール類として扱われることがあります。

    ここで多い勘違いが、「未開封だから大丈夫」「少ししか入っていないから大丈夫」「高かった化粧品だから見逃されるだろう」という発想です。しかし、空港は感情で動きません。容器が100mlを超えていれば、未開封でも持ち込みできないことがあります。高級化粧品でも、海外ブランドでも、扱いは同じです。

    さらに注意したいのが乗り継ぎです。日本からの出発時に問題がなくても、経由地で再び保安検査を受ける場合、そこで液体物ルールに引っかかることがあります。ANAも、一部の国や地域では追加の機内持ち込み・預け入れ制限があると案内しています。つまり、最終目的地だけ見ていればよいわけではありません。

    現実的な対策は、機内で使う最小限だけを100ml以下の容器へ移し、その他は預け荷物へ回すことです。どうしても手元に必要な物以外は、客室へ持ち込まない方が安全です。

    【刃物・危険物】

    刃物類は、国際線では非常に分かりやすい禁止品目です。ナイフ、ハサミ、カッター、剃刀の一部、おの、なた、のみ、彫刻刀など、刃の付いた物は基本的に機内持ち込みできません。ANAは、全ての刃物類を機内持ち込み不可として案内しています。

    旅行者が見落としやすいのは、大きな刃物ではなく、小さな日用品です。化粧ポーチに入れた眉用ハサミ、爪切りの付属刃、ペンナイフ、マルチツール、小型の工作用カッターなどは典型です。本人は「日用品」や「文具」のつもりでも、保安検査では刃物です。

    また、刃物だけでなく、工具も機内持ち込みできません。ドライバー、レンチ、ペンチ、ニッパーなど、仕事や撮影機材のメンテナンス用に持っている物が引っかかることがあります。出張や撮影旅行では、機材そのものより付属工具が問題になることがあります。

    さらに、バット、ゴルフクラブ、アイススケート靴のように、凶器となると判断される物も機内持ち込み不可です。ANAは、アイススケート靴、バット、ゴルフクラブなども種類にかかわらず持ち込み不可としています。つまり「スポーツ用品だから安全」とは見なされません。

    必要な場合は預け荷物へ回すしかありません。ただし、国際線では預け荷物に入れる物も増えすぎると管理が雑になります。本当に必要な物だけを持つ方が安全です。

    【可燃物】

    可燃物は、機内持ち込み禁止というより、航空輸送そのものができない場合がある分野です。花火、クラッカー、燃料、ガスボンベ、可燃性の高いスプレー、塗料類、化学薬品などが典型です。

    ここで旅行者が誤解しやすいのは、「小さいから大丈夫」「日用品だから平気」という考えです。しかし、危険物は見た目やサイズではなく性質で判断されます。小型のキャンプ用ガス缶、ライター用燃料、可燃性スプレーなどは、日用品や趣味用品に見えても航空機では危険物です。ANAも、危険物は法令により機内持ち込みも預け入れもできないと案内しています。

    また、スプレー類は一律ではありません。化粧品や医薬品としてのスプレーは条件付きで運べるものもありますが、可燃性が高いものや成分によっては持ち込みも預け入れもできない場合があります。見た目だけで判断せず、製品の性質と容量を見る必要があります。

    【モバイルバッテリー(預け不可)】

    モバイルバッテリーは、現在もっとも注意が必要な分野の一つです。旅行者の多くが持っていくにもかかわらず、扱いを正確に理解していない人が多いからです。

    基本ルールは明確です。モバイルバッテリーは預け荷物には入れられません。必ず機内持ち込みにする必要があります。JALは、モバイルバッテリーは予備電池とみなされるため預けできず、機内持ち込み可能なのは160Wh以下のものに限ると案内しています。容量の確認ができない場合は輸送を断ることがあるとも明記しています。

    さらに、2025年7月8日以降は、機内に持ち込んだモバイルバッテリーを座席上の収納棚へ入れず、お手元や座席前ポケットなど、常に状態が確認できる場所で保管するよう、ANA・JALともに案内しています。これは、機内での発煙・発火への対応を強化するためです。つまり、「持ち込める」ことと「どこに置いてもよい」ことは別です。

    しかも、国土交通省は2026年2月27日に、モバイルバッテリーの機内持込み個数の制限や充電の制限など、基準変更に関する意見公募を開始しています。今後さらに厳格になる可能性があるため、旅行前には最新の航空会社案内を確認した方が安全です。

    実務上の対策としては、次の3点が重要です。

    第一に、容量表示が明確な製品だけを使うことです。表示が読めないもの、メーカー不明品、極端に安価な無名製品は避けた方が無難です。

    第二に、劣化したバッテリーを持って行かないことです。膨張、異常発熱、充電不良がある製品は危険です。

    第三に、必要以上に本数を増やさないことです。複数本を無造作に持ち歩くと管理が雑になります。

    【ライター】

    ライターは「1個なら何でもよい」と思っている人がいますが、それは誤りです。ANAは、ライターや安全マッチは1人1個まで機内持ち込みのみ可能としつつ、オイルタンク式ライター、葉巻用ライター、ターボライター等は持ち込みも預け入れも不可と案内しています。

    つまり、認められるのはあくまで一部の喫煙用ライターに限られます。種類を問わず自由という話ではありません。預け荷物に入れられない点も重要です。喫煙者はバッグやポーチに複数入れたままにしがちですが、無意識に預け荷物へ混ざると問題になります。

    また、ライター用燃料は別の危険物問題になります。燃料そのものはより厳しい規制対象です。ライター本体と燃料を同じ感覚で考えない方がよいです。

    【スポーツ用品】

    スポーツ用品は、旅行者本人にとっては日用品や趣味の道具でも、客室内では危険物や凶器になり得る物として扱われます。バット、ゴルフクラブ、アイススケート靴などは、機内持ち込み不可の代表例です。ANAも、これらを種類にかかわらず一切持ち込みできないものとして案内しています。

    注意したいのは、スポーツ用品のルールは一般の危険物ルールに加えて、サイズや形状、航空会社独自の手荷物規定も関係することです。預け荷物にできる場合でも、追加料金や梱包条件が必要なことがあります。

    たとえば、ゴルフクラブは預け荷物として扱える場合が多いですが、客室へは持ち込めません。スケート靴も同様です。見た目に危険物ではなくても、金属・刃・硬い打撃部分があれば制限されます。

    【電子機器・予備電池】

    ノートパソコン、タブレット、カメラなどの電子機器は、基本的に機内持ち込み可能です。ただし、予備電池やリチウム電池には別のルールがあります。ここを理解していないと、電子機器そのものは持ち込めるのに、付属電池で問題になることがあります。

    予備電池は短絡防止が必要で、容量制限もあります。とくにカメラ機材やドローン、仕事用の電子機器では、予備バッテリーを複数持つ人が多いため注意が必要です。端子保護をせずにそのままバッグへ入れるのは避けた方がよいです。

    また、電子タバコや加熱式タバコ本体も、内蔵電池があるため預け荷物に入れられないことがあります。単なる嗜好品ではなく、電池機器としての扱いも受けます。

    【食品】

    食品は少しややこしい分野です。機内持ち込み自体は可能でも、到着後の入国時に検疫や税関で問題になることがあるからです。

    まず、機内持ち込みの観点では、液体・ジェル・半固形の食品に注意が必要です。スープ、ゼリー、ソース、ジャム、ペースト類は液体物として扱われることがあります。つまり、食品であっても100mlルールの対象になることがあります。

    次に、到着後の検疫です。肉製品、果物、野菜、種子、植物などは、入国時に別の問題になります。動物検疫所は、肉製品や動物由来製品の多くは日本へ持ち込めず、不法持ち込みには刑事罰が科されることがあると案内しています。植物防疫所も、海外から植物を持ち込む場合は植物検疫が必要で、輸出国政府機関が発行する検査証明書がないと持ち込みできないとしています。

    つまり、食品は「飛行機に持ち込めるか」と「国に持ち込めるか」を分けて考える必要があります。空港の保安検査を通ったから安心、ではありません。

    【医薬品】

    医薬品は、国際線で非常に誤解されやすい分野です。一般的な常用薬の多くは持参できますが、薬は「医療だから例外で自由」というものではありません。種類、量、成分、渡航先の法律によって扱いが変わります。

    特に注意が必要なのは、向精神薬、睡眠薬、一部の鎮痛薬です。厚生局は、向精神薬を海外へ持参する際、総量によっては書類が必要であり、相手国の大使館・領事館へ確認すること、必要に応じて英文の医師証明書を準備することを案内しています。商品名ではなく成分名で確認することも重要です。

    また、薬は元の容器のまま持ち、必要量の範囲にとどめる方が安全です。ピルケースにばらしていると説明しにくくなります。処方せんの写しや診断書を持っておくと役立つ場面があります。

    ここでも大事なのは、航空会社のルールだけでは足りないことです。薬は保安検査と同時に、渡航先の法律の問題にもなります。

    【電子タバコ・加熱式タバコ】

    電子タバコや加熱式タバコは、航空ルールと渡航先規制の両方に関わるため、かなり注意が必要です。

    まず航空ルール上、電子タバコ等の本体や予備電池は、預け荷物ではなく機内持ち込み扱いになることがあります。さらに、ANAは機内での電子タバコ等の充電を禁止しています。国土交通省も、機内、とくにトイレ内での電子たばこ等の使用は禁止されており、禁止命令違反は50万円以下の罰金対象になり得ると案内しています。

    さらに問題なのは、国によっては持ち込み自体が禁止、あるいは厳しい処分対象になることがある点です。航空会社ルールを守っていても、入国先で問題になれば意味がありません。この分野は、必ず渡航先別の確認が必要です。

    【子連れで例外になりやすいもの】

    国際線の液体物ルールには例外があります。乳幼児同伴の場合のベビーフード、粉ミルク、子ども用飲料、医療上必要な薬などは、通常の100mlルールとは別扱いになることがあります。ANAも、制限対象外の液体物として、ベビーミルク・ベビーフード・糖尿病等の医薬品を案内しています。

    ただし、何でも自動的に認められるわけではありません。必要な量であること、使用目的が説明できること、検査時にすぐ出せることが重要です。大量に持ち込めばよいわけではありません。

    子連れ旅行では、例外があるから安心というより、例外品こそ整理して持つ方がよいです。

    【よくある勘違い】

    国際線の持ち込みルールで多い勘違いを整理しておきます。

    未開封なら持ち込める、は誤りです。液体物は未開封でも容器が100mlを超えれば持ち込めないことがあります。

    小さい刃物なら大丈夫、も誤りです。小型ハサミや小型工具でも機内持ち込み不可です。

    機内持ち込みできないなら預ければよい、も危険です。モバイルバッテリーや予備電池は、預け荷物に入れられません。

    日本で普通に売っているから海外でも大丈夫、も危険です。薬や電子タバコ、食品、植物などは、相手国の規制次第で問題になります。

    個人用だから関係ない、も通用しません。植物防疫所は、個人用で少量でも規制が適用されると案内しています。

    【まとめ】

    国際線の機内持ち込み可否は、安全基準で決まります。見た目が小さい、未開封、日用品、個人利用という理由では判断できません。

    特に注意したいのは、液体物、刃物、工具、可燃物、モバイルバッテリー、ライター、電子タバコ、予備電池、食品、医薬品です。これらは、単に「持ち込みできるか」だけでなく、「預けられるか」「相手国で合法か」「検疫や申告が必要か」まで見ておく必要があります。

    もっとも確実なのは、出発前に利用航空会社の公式案内を確認し、乗り継ぎがあるなら経由地、薬や電子タバコのように国差が大きいものは相手国規制まで確認することです。空港で慌てないために必要なのは、当日の機転ではなく、事前確認です。

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