飛行機に持ち込み禁止のもの(国内線)【完全ガイド】

国内線では、国際線ほど厳しくないと思われがちですが、それは半分だけ正しく、半分は危険な思い込みです。

たしかに、日本国内線には国際線のような一律の100mlルールはありません。飲み物を持ち込める場合もありますし、化粧品や医薬品も条件を満たせば機内持ち込み可能です。ですがその一方で、刃物、工具、バット類、危険物、モバイルバッテリー、ライターなどは、国内線でも明確に制限があります。空港の保安検査で止められ、その場で放棄、預け直し、あるいは輸送自体ができないということもあります。ANAとJALはいずれも、国内線でも「機内持ち込みできないもの」「持ち込みも預けもできないもの」「条件付きで持ち込みできるもの」を区分して案内しています。

特に厄介なのは、旅行者が「小さいから大丈夫」「日用品だから大丈夫」「国内線だから緩いだろう」と考えやすいことです。実際には、国内線でも刃物類や凶器となり得るものは機内持ち込み不可で、JALは刃物等の機内持ち込みは法律違反であり100万円以下の罰金対象になると案内しています。ANAも、刃物などの機内持ち込みは航空法違反となり、2年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される場合があると案内しています。

つまり、国内線で本当に必要なのは、「持ち込み禁止かどうか」だけではなく、次の3つを分けて理解することです。

  1. 機内持ち込みはできないが、預け荷物なら可能なもの
  2. 機内持ち込みも預け入れもできないもの
  3. 条件を守れば持ち込み・預け入れが可能なもの

この整理ができていれば、空港で慌てる可能性はかなり下がります。逆に、ここを曖昧にしたまま出発すると、バッグの中に入れたまま忘れていた小さな工具やライター1本で、搭乗直前に余計な時間を失います。ANAは、持ち込みも預けもできない危険物を持っている場合は放棄品箱などで廃棄、機内持ち込み禁止品は手荷物カウンターで預けるか放棄品箱に廃棄と案内しています。

【まず最初に理解しておきたいこと】

国内線の手荷物ルールは、感覚ではなく分類で考えた方が分かりやすいです。

まず、機内持ち込みできないもの があります。これは客室内で凶器になり得るものが中心です。ナイフ、ハサミ、工具、バット類、ゴルフクラブ、アイススケート靴などが該当します。これらは、必要であれば預け荷物に回す必要があります。

次に、機内持ち込みも預け入れもできないもの があります。代表的なのは、爆発や発火の危険がある危険物です。ガスボンベ、殺虫剤、農薬、花火、クラッカー、加熱式弁当の発熱材などは、航空輸送自体が禁止されています。JALは、160Whを超えるリチウムイオンバッテリーを使用した電子機器、ガスボンベ、殺虫剤、農薬、花火、クラッカー、発熱材付き弁当などを危険物として輸送不可と案内しています。

最後に、条件付きで持ち込み・預け入れできるもの があります。アルコール、化粧品、医薬品、スプレー類、ドライアイス、リチウム電池の一部などです。これらは「持てるか持てないか」を雑に二分できません。容量、度数、用途、容器、総量で扱いが変わります。ANAは国内線の条件付き品目として、アルコール性飲料、スプレー類、リチウム電池、ドライアイスなどを案内しています。

国内線の記事を書くうえで大事なのは、ここを国際線のコピーにしないことです。国内線は国内線で、別の面倒くささがあります。

【刃物・工具類】

国内線で最も分かりやすく、かつ見落としやすいのが刃物と工具です。

大きな包丁やナイフを機内へ持ち込めないことは、多くの人が理解しています。ですが実際に止められやすいのは、小さなハサミ、マルチツール、精密ドライバー、カッター、眉ハサミ、工作用具などです。自分では日用品や仕事道具のつもりでも、保安検査では関係ありません。機内で危険になり得る物は持ち込み不可です。ANAは、ハサミ、工具、ナイフ類などを「種類にかかわらず一切持ち込みできない」と案内しています。JALも、刃物類、先端が著しく尖っているもの、強打することで凶器となりうるものは機内持ち込み不可としています。

ここで注意したいのは、「小型ならよい」「短ければよい」という発想です。空港の保安検査は、所有者の意図ではなく、物の性質で見ます。つまり、本人が「危険物のつもりはない」と考えていても意味がありません。

また、工具類は出張や撮影の人が見落としやすい分野です。カメラのメンテナンス用ドライバー、簡易レンチ、ケーブル処理用の小型工具などがそのまま機内持ち込みバッグに入っていることがあります。荷造りの段階では便利でも、保安検査ではただの工具です。

必要なら預け荷物へ回せばよいのですが、そこにも注意点があります。刃物や工具を持つ必要が本当にあるか、まず考えた方がよいです。国内線の移動で、到着後すぐ使うわけでもないのに機内持ち込みバッグへ入れているケースが多いからです。

【バット・クラブ・スケート靴などのスポーツ用品】

スポーツ用品も、国内線ではかなりはっきり制限されています。

とくに、バット、ゴルフクラブ、アイススケート靴などは、JAL・ANAともに機内持ち込みできないものとして例示しています。本人にとっては趣味の道具でも、客室内では打撃や刺突に使える危険物として扱われるからです。

ここで誤解しやすいのは、「競技用だから安全」「ケースに入っているから問題ない」という考えです。ケースに入っていても、客室に持ち込めるかどうかは別問題です。国内線は比較的気軽に移動できるため、スポーツ遠征や趣味の移動で使う人も多いですが、客室へ持ち込めるとは考えない方が無難です。

預け荷物として扱えることが多いですが、大きさや重量、追加料金、梱包の要否は航空会社ごとに確認した方が安全です。

【危険物】

国内線で最も厳しいのは危険物です。これは「機内持ち込みできない」では済まず、「預け入れもできない」ことがあります。

JALは、危険物として、爆発の恐れがあるもの、燃えやすいもの、人に危害を与えたり他の物件を損傷するおそれがあるものは、法令により航空輸送が禁止されていると案内しています。具体例として、160Whを超えるリチウムイオンバッテリーを使った電子機器、ガスボンベ、殺虫剤、農薬、花火、クラッカー、加熱式弁当の発熱材などを挙げています。

ここで旅行者がやりがちなのは、「小さいから問題ないだろう」と考えることです。しかし危険物は、大きさより性質です。小型のガス缶でも、可燃性が高ければ不可です。花火も手持ちサイズだから大丈夫とはなりません。加熱式弁当も、食べ物だから安全ではなく、発熱材があるから不可です。少し世界が奇妙なだけで、理屈は通っています。

特にアウトドア用品、DIY用品、趣味用品は要注意です。本人が危険物だと自覚していないだけで、航空ルール上は危険物ということがよくあります。

【モバイルバッテリー】

国内線で見落としやすく、しかも最近ルールの扱いがより厳格になっているのがモバイルバッテリーです。

基本ルールは明確です。モバイルバッテリーは預け荷物に入れられません。必ず機内持ち込みです。 JALは、スマートフォンなどの携帯型充電器(モバイルバッテリー)はお預かりできず、必ず機内持ち込み手荷物として持つよう案内しています。ANAも国内線でリチウム電池を条件付き品目として扱っています。

さらに、現在は「機内に持ち込めばよい」で終わりません。JALは、モバイルバッテリーを座席上の収納棚に収納しないこと、機内で充電する際は常に状態が確認できる場所で行うことを案内しています。つまり、上の棚へ入れて放置するのは避けるべき運用です。

容量にも制限があります。JALは、160Whを超えるリチウムイオン電池は持ち込み・預け入れともに禁止、160Wh以下のみ持ち込み可能、100Whを超え160Wh以下は2個まで持ち込み可能、Wh数が確認できない場合は輸送を断ることがあると案内しています。

つまり、古い無名のモバイルバッテリーや、容量表示が読めない製品は持っていかない方がよいです。膨張しているもの、異常発熱するもの、端子保護が不十分なものも避けるべきです。

国内線だから気軽に持ち歩きがちですが、モバイルバッテリーは航空ルールでは「便利な充電器」ではなく「条件付きで持ち込めるリチウム電池機器」です。

【ノートパソコン・タブレット・予備電池】

ノートパソコンやタブレット自体は、国内線で機内持ち込みも預け入れも可能です。JALは、リチウム電池を内蔵した携帯型電子機器は機内持ち込み・預け入れどちらも可能だが、預ける場合は電源をオフにし、ケースや衣類などで保護するよう案内しています。

ただし、問題は予備電池です。取り外したバッテリーや予備バッテリーは、モバイルバッテリーと同様、短絡防止や容量制限が必要になります。JALは、端子の絶縁や個別保護を案内しています。

つまり、PC本体は大丈夫でも、バッグのポケットに裸の予備電池を複数放り込むのはよくありません。電池は「小さいから雑に扱ってよい」ではなく、「小さいからこそ雑に扱われがちで危ない」分野です。

【液体物】

ここは国内線と国際線で大きく違います。
国内線では、国際線のような一律100mlルールはありません。

飲み物は基本的に機内持ち込み可能です。化粧水や美容用の液体も持ち込めますが、1容器あたり500mlまたは0.5kg以下、1人あたり合計2Lまたは2kgまでという条件があります。JALは、化粧品・医薬品(非放射性のもの)について、機内持ち込み・預かりどちらも可能で、1容器あたり0.5kgまたは0.5リットル以下、1人あたり合計2kgまたは2リットルまでと案内しています。日本空港ビルデングの案内でも、国内線の液体物はこの条件に沿って説明されています。

ここは国際線の感覚で書き間違えやすいところです。国内線記事なのに「100ml以下で透明袋」などと書いてしまうと、それだけで信頼を落とします。危ういところでした。危険なのは荷物だけではなく、雑な記事も同じです。

ただし、「国内線は液体なら何でも自由」でもありません。危険物に該当する液体は別です。可燃性が高いもの、危険な化学物質などは不可です。さらに、飲みかけのペットボトルが検査で別途確認されることもあります。国内線は国際線ほど細かくないものの、何も見なくてよいほど甘くはありません。

【アルコール飲料】

アルコールは、液体物の中でも別ルールです。ANAは国内線の条件付き品目として、アルコール度数が24%を超え70%以下のものは1人あたり5リットルまで、機内持ち込み・預け入れともに可能、24%以下のものは制限なし、小売販売容器に収納されていることを条件に案内しています。

つまり、普通のビールやワインはそこまで神経質になる必要はありませんが、度数の高い酒は条件付きです。酒だから全部同じ、ではありません。

【スプレー類・化粧品・消毒剤】

国内線では、化粧品や非放射性の医薬品に分類されるスプレー類、香水、シェービングジェル、消毒剤などは、前述のとおり 1容器0.5Lまたは0.5kg以下、1人合計2Lまたは2kg以下 の範囲なら、機内持ち込み・預け入れともに可能です。JALはその具体例として、ヘアスプレー、香水、シェービングジェル、殺菌・消毒剤(液体・スプレー、アルコール製消毒製品を含む)を挙げています。

ただし、同じスプレーでも、殺虫剤や農薬のように危険物扱いになるものは輸送不可です。ここがややこしいところです。見た目は似ていても、化粧品・医薬品カテゴリか、危険物カテゴリかで扱いが変わります。

【ライター】

ライターも、国内線では細かなルールがあります。
JALのFAQでは、喫煙用で小型のものに限り、1人1個まで、上着のポケットなどに入れて身に着けて持ち込むことが可能で、預け荷物には入れられないと案内しています。持ち込める例として、使い捨てライター、液化ガスライター、吸収剤入りオイルライター、安全マッチ、条件を満たすリチウム電池式ライターを挙げています。一方で、吸収剤なしのオイルタンク式ライター、葉巻用ライター、ターボライター、ジェットライター、チャッカマン類、仏壇用・線香用ライターなどは、持ち込みも預けもできないと案内しています。

ここも「ライター1個なら何でもよい」と誤解されやすいです。
正しくは、持ち込める種類の小型喫煙用ライターに限って1個まで です。

しかも、かばんに入れて運ぶのではなく、身に着けて持つ必要があります。ポケットに入れるなどの扱いが前提です。地味ですが大事です。

【ヘアアイロン】

ヘアアイロンは、旅行者が空港で意外と迷う物の一つです。JALは、ヘアアイロン・ヘアカーラーについて、コンセント式、電池を取り外した電池式、または取り外した状態と同等の機能があるものは持ち込み・預けとも可能としています。一方、電池が取り外せない電池式のものは持ち込みも預けもできないと案内しています。取り外した電池は機内持ち込みが必要です。

これも、見た目はただの美容家電ですが、実際には電池の扱いで決まります。国内線はこういう「物の名前」より「構造」で判断されることが多いです。

【食品】

国内線では食品そのものが広く禁止されているわけではありません。ですが、注意点はあります。

まず、飲み物や液体・半固形の食品は、液体物や危険物の条件に関わることがあります。さらに、JALは国内線でも、沖縄県や奄美群島など特定地域から本土へ持ち込めない植物類があると案内しています。たとえば、消毒されていないさつまいも、未検査のかんきつ類や苗木などは、機内持ち込みも預けもできません。これは植物防疫上の規制です。

つまり、国内線でも「食品や植物なら自由」ではありません。一般的な弁当や土産菓子は問題なくても、検疫・防疫に関わるものは別です。沖縄・奄美方面の移動では特に注意が必要です。

また、発熱材付き弁当は危険物として輸送不可です。食べ物でも、発熱機構がある時点で話が変わります。これは実に面倒ですが、航空安全の論理としては筋が通っています。

【医薬品】

国内線では、非放射性の医薬品は基本的に持ち込み・預けとも可能で、JALは化粧品と同様に 1容器0.5Lまたは0.5kg以下、1人合計2Lまたは2kg以下 の条件を案内しています。

ただし、医薬品でも危険物に該当する成分や、特殊な取り扱いが必要なものは別です。一般的な常備薬は大きな問題になりにくいですが、大量に持ち込む、容器を移し替えていて中身が分からない、医療機器や電池を伴うなどの場合は、確認した方が安全です。

国内線なので海外ほど国ごとの差はありませんが、だからといって何でも自由ではありません。

【ドライアイス・保冷剤】

生鮮食品や要冷蔵品を持つ人にとっては、ドライアイスも気になるところです。ANAは、生鮮食料品等を冷却する目的のドライアイスは1人あたり2.5kgまで機内持ち込み・預けとも可能と案内しています。ただし、その目的以外のドライアイスは不可です。

保冷剤は種類によって扱いが異なるため、迷う場合は航空会社へ確認した方が無難です。

【国内線でよくある勘違い】

ここまでをまとめると、国内線で特に多い勘違いは次のとおりです。

「国内線だから緩い」
これは雑です。液体の一律100mlルールはなくても、刃物・危険物・電池・ライター・数量制限は普通にあります。

「機内持ち込みできないなら預ければよい」
モバイルバッテリーや予備電池、特定の危険物には通用しません。預けること自体ができません。

「小さいものは問題ない」
小型ハサミ、小型工具、小型ライター、ミニスプレーでも、性質次第で制限対象です。

「飲み物は何でも自由」
一般の飲み物は持ち込めても、度数の高い酒や危険物性のある液体は別です。

【空港で止められた時に起きること】

ANAは、持ち込みも預けもできない危険物を所持している場合は放棄品箱などで廃棄、機内持ち込み禁止品は手荷物カウンターで預けるか放棄品箱で廃棄と案内しています。つまり、空港で止められた時に起きることは主に3つです。

1つ目は、その場で廃棄です。
2つ目は、預け直しです。
3つ目は、そもそも輸送不可で持っていけないことです。

そして最も厄介なのは、時間を失うことです。国内線でも、保安検査直前に荷物の整理を始めると、案外すぐ搭乗時刻が近づきます。こういう小さなミスの積み重ねで、旅の出だしがかなり濁ります。

【出発前チェックリスト】

国内線で空港トラブルを避けるために、最低限この5つを見ておくと安全です。

・刃物、工具、バット類がバッグに入っていないか
・モバイルバッテリーを預け荷物に入れていないか
・ライターが1個を超えていないか、種類は問題ないか
・液体、化粧品、医薬品、アルコールの量が条件内か
・危険物、発熱材付き製品、ガス缶、花火等が混ざっていないか

この程度でも、かなり変わります。

【まとめ】

国内線は、国際線より緩い部分もあります。
ですが、それは「確認しなくてよい」という意味ではありません。

日本国内線では、国際線のような一律100mlルールはありませんが、刃物、工具、スポーツ用品、危険物、モバイルバッテリー、ライター、アルコール、スプレー類、医薬品、植物類などに、それぞれ別の条件があります。

特に重要なのは、
機内持ち込み不可
預け入れ不可
条件付きで可能
を分けて考えることです。

国内線で最も多い失敗は、知らなかったことそのものではなく、「たぶん大丈夫だろう」と雑に処理することです。そこをやめるだけで、空港での余計なトラブルはかなり減ります。

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